リモートワークの快適さの裏で失ったもの
2023年5月にコロナが5類感染症となったことを受けて、世間ではいよいよ日常が戻ってくると沸き立った。社員のフルリモートは解除され、各企業、出社せよの大号令がかかる。
これと同時にオフィスから離れてしまった社員の原点回帰を願い、一人一人の出社率の管理に躍起になった企業は少なくない。
私の前職も例にもれず、役員会議でも毎度社員の出社状況について議題が上るようになった。コロナが明けた後もリモートワーク制度は完全に廃止されないまでも、上限回数以上の利用は口を酸っぱくして注意された。
「出社率の低い社員は〇〇さんと、××さん・・・」出社を管理するエクセルは相互監視の目にさらされ、出社の日なのに半日しか会社に滞在してないと、ここぞとばかりに他の社員から指摘をくらう
私はここで会社と温度差が生まれてしまった。果たしてここまでして必死に管理すべきことなんだろうか。役員会議で特定の社員の名前まで出し、出社率の是非を論じる会社の上層部にほとほと呆れてしまった。どうやら他に議論すべきことはないらしい。出社以外はサボり。いかにも昭和脳な会社に将来性は感じられなかった。
結果、私は転職してしまった。
リモートワークは快適だったが、その制度の裏で会社への忠誠心を失ってしまったようだ。リモートワークとの付き合い方は会社の将来性を炙り出す。
今でもこの選択は間違ってなかったと思う